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ワーウォ資料室

ワーウォマンスリーレポート ’18. Sep. 第2号

ごあいさつ

9月に入り、少しは暑さが衰えるか?と期待していましたが、まだまだのようです。
これからは季節の変わり目になりますので、皆様体調管理には十分に気を付けてください。
WahW Monthly Report(ワーウォ マンスリー レポートWMR)第2号では、「塩素の基礎知識」の続きをご紹介します。専門的な内容になりますが、大切な情報ですので、ぜひともご覧ください。
よろしくお願いいたします。

次亜塩素酸を理解する3つのキーワード

1)   細胞を攻撃するメカニズム

一般的に細胞の最外部の周囲には細胞壁があり、その内側に形質膜と呼ばれる生体膜があります。細胞壁は厚く丈夫な構造体ですが、イオンや低分子量の親水性分子を容易に通過させます。
これに対して、形質膜はリン脂質二重層(内部に脂肪酸の疎水性層を形成)を基本構造としており、イオンや低分子量分子の透過を妨げるのです。
そのため、イオン化したOCℓはこの形質膜にある脂質二重層を透過することができません。
一方、非解離型のHOCℓは、小さい分子サイズと電気的中性の性質から、受動拡散により容易に細胞壁と形質膜を透過します。HOCℓの濃度が高いほど殺菌効果が強まるには、受動拡散の推進力である濃度勾配を大きくしたことに起因します。
細胞の内部に進入したHOCℓは、脂質二重層や膜輸送タンパク質、細胞質に存在する酵素系(解糖、TCAサイクル)、形質膜に存在する酵素系(電子伝達系)、そして核酸(DNA、RNA)、リボソームなどの必須組織に対して酸化作用を及ぼすことになります。
その結果、OCℓと比較してHOCℓによる生細胞および芽胞の殺菌速度および効果は著しく大きくなるのです。

細胞を攻撃するメカニズム

このようなメカニズムによって殺菌作用が行われることから、耐性菌の発生が抑えられると言う報告もあります。代表的な耐性菌として知られるMRSAは、メシチリンという抗生物質に対して耐性を持った黄色ブドウ球菌のことを言い、院内感染の原因菌として深刻な状況となっています。

2)   幅広い抗菌スペクトル

微生物には、大別して、細菌(バクテリア)、酵母、カビ、放線菌、藻類、ウイルスがいます。
ここでは、抵抗性の序列を細胞の基本構造によって作成しました。

殺菌消毒剤として利用されているグルタールアルデヒドは、主に医療機器の滅菌、殺菌、消毒に用いられています。ほとんどすべての細菌、真菌、芽胞、ウイルスに有効であるとされます。
人体へは毒性が強いため使用することはできません。
医療機関においては内視鏡等の医療器具等の殺菌消毒剤として広く使用されていますが、実際に医療機関でこれを取り扱う労働者に皮膚炎等の健康障害が発生しているということで、厚生労働省から「医療機関におけるグルタルアルデヒドによる労働者の健康商売防止について」という通達がでています。
(平成17年2月24日)

抗菌スペクトル

 

3)   人類の体内でも活躍する次亜塩素酸

次亜塩素酸は、生体防御機能とも密接に関連しています。
白血球の一種である好中球は、生体内に微生物などの異物が侵入すると活性化して盛んな遊走性(アメーバ様運動)を示し、微生物に接触して貪食し(食胞の形成)、取り込んだ微生物を殺菌します。
この主たる殺菌因子が次亜塩素酸なのです。(下図を参照)

このような生体機構を見るにつけても、次亜塩素酸を殺菌操作に利用する技術は、自然の免疫機能を人為的に活用したシステムとも言えますね。(次亜塩素酸の科学より)

好中球

 

好中球の働きについて

好中球は5種類ある白血球の1種類です。盛んな遊走運動を行い、主に生体内に侵入してきた細菌や真菌類を貪食(飲み込むこと)殺菌を行うことで、感染を防ぐ役割を果たします。
末梢血内には2000~7000個/μℓの好中球が含まれ、成人の末梢血内には、体重50kgの場合80億個~300億個が存在します。生体内すべてでは、数千億個もの好中球が存在すると言われます。
血液内での寿命は1日以内、概ね10~12時間程度とされます。組織内では数日とされます。
好中球は骨髄内で生産され、1日当たり1000億個程度作られるそうです。

 (生体防御のしくみ)

生体に細菌などが感染すると、好中球は感染した炎症部位に遊走して集まり、細菌類を貪食殺菌します。

(遊走から細菌への接触)

好中球は表面に多数あるレセプターで刺激因子の濃度の濃い薄いを感じ取り、因子の喉の濃い方向に遊走し、感染巣に集結します。感染巣に到達した好中球は、細菌自身の産出物質などを感じ取り細菌へ接触するのです。

(貪食・殺菌)

感染巣に到着した好中球は、細菌類への接触から貪食を行い、飲み込んだ細菌類を殺菌します。殺菌の一つの手段が活性酸素や過酸化水素を発生させて殺菌することで、酵素のミエロペルオキシターゼは過酸化水素(H2O2)と塩素イオン(Cℓ-)から次亜塩素酸(HOCℓ)を産出し、細菌は酵素反応によって生じたHOCℓにより、効率的に殺菌されるというものです。

 

ワーウォマンスリーレポート ’18. Aug. 第1号

ごあいさつ

この度、弊社の弱酸性次亜塩素酸水溶液WahW(ワーウォ)をご愛用くださっているお客様に、
WahW Monthly Report(ワーウォ マンスリー レポート)として、お役立ち情報やトピックスなどを
商品と共にお届けすることといたしました。
ワーウォを有効活用していただくための情報やノウハウをはじめとして、関連する資料やデータまで
お届けするように考えています。

ご覧になられたお客様で、お困りごとを持っていらっしゃる場合は、ホームページの右端に“!?”マークで
「お困りごと募集中」のページをご用意していますので、ご遠慮なくお問い合わせください。
よろしくお願いいたします。

最近の話題

8月に入った途端に、「ヘルパンギーナ」という聞きなれない言葉がニュースで流れてきました。
ネットを見ると、夏風邪「ヘルパンギーナ」が全国各地で流行しているようで、ヘルパンギーナと合わせて「3大夏風邪」と呼ばれる手足口病、咽頭結膜熱(プール熱)の感染も広がっているそうで、警戒が
必要だと報じられています。夏休み中の小さな子供たちは、十分に注意されて楽しい毎日をお過ごしください。「3大夏風邪」情報は、聞き逃さないようにしましょう。
また、平成30年7月豪雨の被災地(倉敷市真備町)では、氾濫した地区で乾燥した汚泥が復旧作業時に舞い散り、含まれているウイルスによって結膜炎を発生する避難者が多くでているとも報道されています。

このような情報に接するたびに強く思うことは、地球の温暖化が影響しているのか、地球上のいろいろな国で異常気象による天変地異が頻発しているということです。この状況下においては我々人類が今までに経験したことが無い事象が発生する可能性が高いということが言えます。

自然災害に対する普段からの備えや、2008年にパンデミックと恐れられた強毒性のH5N1鳥インフルエンザなど、私たちは好むと好まざるに関わらず、「自らの安全は自らで守る」という強い意志を持たなければならなくなっているのです。

落ち着いて周りを見てみると、弱酸性次亜塩素酸水溶液を有効活用できるところは、意外にも多くのケースがあるのです。
このレポートを通じて、お役に立てる情報をご提供させていただきます。

記念すべき第1回のテーマは「塩素の基礎知識」です。

多くの皆さんは、
塩素=危険
と直感的に感じていらっしゃるでしょうね。
最もホットな話題としては、2018年に入ってから、シリアの内戦で塩素ガス弾が使用された疑いが浮上したと報道されました。子供たちがもだえ苦しんでいる映像には、大きなショックを受けました。
一方で「塩素」は、私たちの生活に密着したしたところでも活用されています。ご存知のとおり、家庭の水道水には、僅かですが「塩素」が含まれています。
WHO(世界保健機関)の飲料水水質ガイドラインでは、遊離有効塩素濃度は5mg/ℓ以下ならば「飲んでよし」としています。日本では、厚生労働省が規定する水質基準準によると、0.2mg/ℓとされています。

塩素の三つの形態

もともと分子状の塩素は、常温では特有の臭いを持つ黄緑色の気体で、毒性と腐食性を持っています。
強い漂白・殺菌作用を持っているため、パルプや衣類の漂白剤や、水道水やプールの殺菌剤として使用されています。ただし、気体として取り扱うのは困難であり、保存性の点から水酸化ナトリウムと反応させた次亜塩素酸ナトリウムの形で利用されているのが一般的です。
そして、塩素は存在している溶液のpHによって、その形態が変わることが知られています。

①    次亜塩素酸イオン(OCℓ
アルカリ領域に存在する塩素、主に洗浄、漂白を目的として利用されますが、残留性があるので要注
意です。塩素系の漂白剤のハイターはよくご存じでしょう。
②    次亜塩素酸(HOCℓ)
弱酸性領域(pH3~5.5)の溶液に存在する塩素、この次亜塩素酸が殺菌作用に寄与する因子です。
③    塩素(Cℓ2
強酸性領域(pH3以下)では、有毒ガスを発生させる危険な塩素という形で存在します。
それぞれの領域において、次亜塩素酸が存在する比率を表すのが下図に示す「次亜塩素酸の解離曲線」というものです。

次亜塩素酸の解離曲線 Ver. 1.03 20180315 より

図からもお解りのように、弱酸性領域では次亜塩素酸の存在比率が100%に近く、弱酸性は人間の皮膚にも優しいので、安心してお使いいただけます。

次亜塩素酸を理解する3つのキーワード

1) 細胞を攻撃するメカニズム
2) 幅広い抗菌スペクトル
3) 人間の体内でも活躍する次亜塩素酸
これらを理解していただくと、弱酸性次亜塩素酸水溶液のことがより身近になり、安心して有効活用を進めて行けることと思います。紙面の都合上、第2号以降にて詳しく解説させていただきます。

 

ここでお知らせです。 弊社では、より多くの皆様に次亜塩素酸水溶液の有効活用を進めていただくために、YouTubeを使ったPR動画を作成しました。“ウイルス感染予防・除菌のことなら 合同会社ワーウォ技術研究所”
これは、弊社のHP(http://wahw.co.jp)にもTop画面に張り付けておりますが、以下のURLまたはQRコード(スマホで撮影)からもご覧いただけます。お知り合いにも伝えてあげてください。よろしくお願いいたします。

ワーウォ様QR_Code1532568513 (1)
https://youtu.be/cSftr40mjw8

 

 

 

 

エコリーフ環境ラベルの登録更新証が届きました

この度、総合版JEMAI環境ラベルプログラムがスタートしたことにより、登録更新が暦年ごとになったため、この時期に届いたということです。

 

エコリーフ環境ラベルについて

pyh00wjqエコリーフ環境ラベルについては、各ページの右上のエコリーフマークをクリックしていただくと産業環境管理協会からの説明を見ていただくことができます。

世界的に見ても環境に関するテーマを頻繁に見かけるようになっていますが、エコリーフ環境ラベルはLCA(ライフサイクルアセスメント)手法を用いて、製品の全ライフサイクルステージにわたる環境情報を定量的に開示する日本生まれの環境ラベルです。

環境ラベルの国際標準規格に準拠しており、ISOが定めるタイプⅢ(ISO14025)に従っています。

エコリーフ取得によるメリット企業側

1.グリーン購入・調達の促進に信頼感向上
環境調和製品の開発・製造・販売に取り組む事業者が、その製品の環境データを提供することによって、グリーン購入・調達のための判断材料や、製品の適正な使用、廃棄・リサイクル情報、さらには科学物質の安全性に関する情報などの提供を求める消費者の要求に応えることになり、企業および製品への信頼感を高めることができます。

2.消費者評価の向上による市場競争力の強化
環境面で優位性を持った製品・プロセス・技術を提供することにより、消費者の評価を高めることができ、企業および製品の競争力の強化が期待されます。

3.組織内意識の向上による環境経営の発展
環境データを収集・解析・整理・公開する過程を通じて、企業内各層の環境意識が向上し、環境負荷のより少ない製品(エコプロダクツ)を開発・製造・販売していくための一層の動機づけとなります。このことは、環境への取り組み体制の整備や問題点の明確化を通じて、環境経営の深化につながります。

消費者・購買者側

1.グリーン購入・調達の客観的判断情報
グリーン購入・調達時の判断情報を得ることができます。例えば、製品間の環境比較(個別あるいは全体的な環境因子の比較)に利用できます。

2.製品選択/使用時の環境配慮の向上
ライフサイクルステージごとの環境負荷の相対的大きさ、影響の大きな環境負荷項目を把握することによって、環境意識の向上や消費(利用)の携帯や行動の改善製品選択や使用時の環境配慮などに役立てることができます。

 

このような効果により、エコリーフ環境ラベルは事業者と消費者間において、客観的かつ透明性の高いコミュニケーションの発展に役立てることができます。

 

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次亜塩素酸の科学 -基礎と応用-

「次亜塩素酸」関連事業に携わる人たちにとって、バイブルとも言える参考書を紹介します。

「次亜塩素酸の科学 -基礎と応用-」という書籍です。初版は2012年3月、2015年7月に2版が出ています。
私たち次亜塩素酸に関わる者にとっては、いざという時に役に立つ便利な参考書として手放せない書籍です。

「関連商品の販売を行っているが、お客様からの質問に答える時の参考にしたい」

「食品工場で次亜塩素酸を使っているが、今の方法で良いのだろうか?」

「病院や介護施設では活用可能なところが多くあると思うが、どのような利用法が
あるのだるうか?」

「次亜塩素酸についてもう少し掘り下げて知りたい」

というご要望に応えられる数少ない参考書ですので、以下に出版社からの紹介を含めてご案内させていただきます。以下は出版社からの案内です。
y8b3ccye 次亜塩素酸は、過去から現在に至るまで、種々の感染予防の目的で使用され続けてきた薬剤である。「塩素消毒」という言葉は耳にしても、「次亜塩素酸」という物質名に対しては聞き慣れない人も少なくないであろう。実は、次亜塩素酸は塩素と水が反応して生成した物質であり、塩素消毒の主たる活性因子なのである。

本書では、次亜塩素酸製剤を取り扱う研究者、技術者ならびに食品製造設備・機器を設計する技術者が理解しておかなければならない必須の基礎知識を中心に記述した。次亜塩素酸の利用は広範であるため、食品産業における衛生管理技術ならびに微生物制御への適用を主な対象として、その中心技術となる洗浄・殺菌技術における次亜塩素酸の反応メカニズムに重点をおいてまとめた。理解しやすいように、図表を多用し、平易な言葉で記述してある。

 

<主要項目>

第 1 章 身近な消毒剤・漂白剤「次亜塩素酸製剤」
次亜塩素酸ナトリウムの製造方法と性状/次亜塩素酸ナトリウムが汎用される理由/家庭用漂白剤の種類/次亜塩素酸製剤の種類/食品添加物としての殺菌料/微生物制御関連用語の定義

第 2 章 次亜塩素酸とは?
次亜塩素酸の生成/次亜塩素酸の化学的特性/遊離有効塩素と結合有効塩素/残留(有効)塩素の測定法/紫外線の吸収と光分解/遊離有効塩素の安定性とpHの関係

第 3 章 次亜塩素酸の殺菌特性
膜透過性と殺菌活性/次亜塩素酸による一次損傷/活性酸素種による二次損傷/殺菌活性の指標/熱による増強効果/有機物による次亜塩素酸ナトリウムの殺菌効果の低下

第 4 章 次亜塩素酸の洗浄特性
洗浄効果の定量的評価/水酸化物イオンの洗浄効果/次亜塩素酸イオンの洗浄効果/熱変性タンパク質に対する有効性/熱による増強効果

第5 章 電解水と弱酸性次亜塩素酸水溶液
電解水の登場/電解水の種類と生成原理/混合方式による弱酸性次亜塩素酸水溶液の調整/電解水・弱酸性次亜塩素酸水溶液の殺菌効果/電解水の洗浄効果/遊離有効塩素の消失/安全性と環境負荷

第 6 章 次亜塩素酸ナトリウムと界面活性剤の併用効果
水の表面張力/界面活性剤の作用/濡れによる洗浄効果の改善/濡れによる殺菌効果の改善/泡沫洗浄への応用/リユースペットボトルの洗浄への適用

第 7 章 次亜塩素酸水溶液の超音波霧化による施設環境の殺菌
超音波による霧化微細粒子の発生原理と粒子径/超音波による液性の変化/大腸菌の殺菌/インフルエンザウイルスの不活性化/養鶏施設への適用/今後の課題

第 8 章 次亜塩素酸による用水・排水・臭気ガスの浄化
不連続点塩素法/除鉄・除マンガン/着色排水の脱色/臭気ガスの脱臭

第9 章 オンサイトで利用される電解技術
食塩水の電気分解における電気化学反応/通電処理におけるOHの生成/通電処理におけるHOCℓとOHの殺菌相乗効果/電解次亜海水の効果/電解次亜海水の実用化事例/電解次亜海水による腐敗臭の抑制/通電処理によるアンモニア性窒素の分解/通電処理による染色実廃水の脱色

第10章 次亜塩素酸による腐食・劣化作用
金属の腐食/ステンレス鋼の耐食性/ステンレス鋼の腐食/次亜塩素酸による腐食と防食/ゴム材への次亜塩素酸の浸透と劣化/非解離型HOCℓの浸透と拡散

 

著者の福﨑智司氏について、書籍から引用して紹介します。

(著者略歴)

福崎智司

1986年広島大学醗酵工学科卒業、1991年広島大学大学院醗酵工学科博士課程後期終了。
同年岡山県工業技術センター入所。
2005年同センター食品技術グループグループ長、2009年同センター化学・新素材グループグループ長、2011年同センター研究開発部長、2013年より三重大学大学院生物資源学研究科教授、現在に至る。
工学博士

書籍について

発行所  米田出版 〒272-0103 千葉県市川市本行徳31-5
発売所  産業図書 〒102-0072 東京都千代田区飯田橋2-11-3
福﨑博士は“あとがき”の中で次にように述べている。

『次亜塩素酸の持つ酸化力は、洗浄、殺菌、漂白、脱臭などの単位操作に有効に利用することができる。次亜塩素酸の有効活用のポイントは、水溶液のpH調整と濃度設定にあるといっても過言ではない。非解離型HOCℓは強い酸化力を持つ一方、解離型OCLは強い洗浄力を持つ。次亜塩素酸ナトリウム水溶液や電解水を万能的に使用するのではなく、次亜塩素酸の基礎的な特性を熟知したうえで、その優れた機能を的確に活用することが肝要である。
次亜塩素酸製剤を使用したのに期待した効果が得られない、それどころか思わぬ被害が発生したという声を聞くことがある。しかし、それは次亜塩素酸が悪いので
はなく、次亜塩素酸の特性を十分理解していない、あるいは使用目的を明確にしていない使用者側が責められるべき問題なのである。

本書を読まれた皆様は、一体どんな「なぜ」を思いつかれただろうか。新たな問い立てこそが、次なる特性解明への一歩に他ならない。本書との出会いを契機に次亜塩素酸のベストフレンドとなり、上手な次亜塩素酸の活用法ならびに腐食・劣化対策を磨いていただければ幸いである。』

 

私たちは、博士のご指摘に耳を傾け、「なぜ」という問いを繰り返しながら目の前に現れる課題を解決して、次亜塩素酸の有効活用を図り、お客様にさらなる安全・安心と利便性を提供して行かなければならないと肝に命じて事業に取り組むべく、決意を新たにしています。
皆様も是非お手元に用意されることをお勧めします。

以上

紫外線による遊離有効塩素の分解について

次亜塩素酸は紫外線に弱い!
次亜塩素酸水溶液をペットボトルなどに入れて直射日光があたるところに放置しておくと、紫外線により遊離有効塩素が分解され濃度が低下することが知られています。(波長領域200~380nmの紫外線を吸収します)
お客様には「紫外線を受けると有効塩素濃度が低下しますので、ご注意ください」とお伝えし、具体的には、透明のペットボトルに入れて持ち運びをしたり、直射日光が差し込む窓際に霧化器を置いたりすることは避けてくださいと言っています。
実際にはどれくらいの影響があるのか直射日光の下で実証実験をしたので、ご覧いただき参考にしてください。(以下にデータを添付します)

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2枚目の考察にもあるように密閉状態のペットボトルでは、有効塩素濃度が下がりpHも下がっていますが、解放状態では酸が揮発することによりpHが上がることもあります。
また、霧化した状態では、空気中の二酸化炭素の影響によりpHが下がります。このことに関しては別途ご紹介いたします。

WahWを希釈する際に水道水のpHはどう影響するのか?

水道水のpH値は希釈した後のpHにどう影響するか?

このご質問は、以前から時々寄せられていました。
ご質問に対しては、“実用上は問題にならないのでそのままお使いください”、とお答えしてきました。
あるとき、水道法に定められている「水道水質基準」で水質基準項目と基準値(51項目)の中に、pH値として5.8以上8.6以下と表示されているのを知り、“かなり幅が広い!”と思ったので、調べてみました。

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結果は、想定の範囲内でした。

上図をご覧ください。この図は、WahWの200ppm pH4.95~6.07までの5種類を、pH6.29、7.04、7.58、8.18の4種類の水で希釈して、それぞれのpH値と濃度を測定したものです。
例えば、pH5.48 、濃度207ppmをpH6.29の水で4倍希釈すると、pH6.22、濃度53ppmになり、pH8.18 の水で希釈すると、pH6.84 ,濃度52ppmになることを示しています。
同様に、他の希釈したデータを見てみると、原液ではpH値にかなりの幅がありますが、希釈後にはその幅も狭くなっていることが分かります。
このことから、“実用上問題にならないのでそのままお使いください”とお答えしてきたことが、間違っていなかったことがお分かりいただけたことと思います。
私たちは、次亜塩素酸水溶液を有効に活用していただくためには、水溶液のpH値を弱酸性領域になっていることをお薦めしています。理由は、殺菌因子である次亜塩素酸という物質の存在比が大きいのは、pHが4から6.5くらいの弱酸性領域とされているからです。

実際に確認した水道水のpH値は、私たちの周りではpH6~7ですが、地域によっては上限の8.6というところもありました。
ですが、今回のデータからも読み取れるように、pH8.18の水道水で希釈しても希釈後のpHは7の手前ですから、想定内だと考えられます。安心して希釈してお使いいただけます。

微生物に対する抗菌性比較

*微生物には、大別して、細菌(バクテリア)、酵母、カビ、放線菌、藻類、ウイルスがいます。(放線菌と藻類には、悪役は少なく、この表には入れませんでした) 抵抗性の序列:細胞の基本構造で序列を作りました。

1)細菌は「原核細胞」と呼ばれる構造で、生命活動に必要な機能の多くは、形質膜に存在します(DNAを包む核膜もない)。構造が単純であり、殺菌剤の殺菌作 用が効きやすい。病原性であることと耐性とは関係がありません。

2)ブドウ糖非発酵菌で問題となるのは、シュードモナス属菌(細菌)です。緑膿菌が最も有名です。1)と同じ細菌(原核細胞)ですが、細胞の周辺に夾膜(きょうまく)多糖と呼ばれる粘着性のポリマーを生成しているので、1ランク耐性が強いとされています。

3)ウイルスは、他の微生物と異なり、細胞ではありません。自分で栄養素を分解して増殖することはできません。そのため、必ず何かの細胞に感染して、その細胞の機能を横取りして増殖します。小さいもので20nm、大きいもので300nmもあり、膜で覆われているもの、そうでないものと種類が多いのが特徴。基礎データも少ないため、一概に耐性を論じられませんが、極めて小さい構造のため、環境中の汚れ物質の陰に隠れて接触しにくいことがあるので、耐性はやや高い方に位置付けました。ちなみに、アデノウイルスは夏風邪・プール熱の原因菌、ポリオウイルスは神経麻痺(小児麻痺)の原因菌です。

4)酵母とカビは「真核細胞」と呼ばれる構造で、生命活動に必要な機能はミトコンドリアや核、小胞体などの器官に分配されて存在します。簡単に言うと、細菌が進化したものです。
機能が各器官に分配されている分、殺菌剤も単純に効きにくいと言うことです。
カビは胞子を作るので、酵母より1ランク高くしました。
*酵母様真菌、糸状真菌と書くより、酵母、カビの方が分かりやすいと思います。

ちなみに、黒色酵母(オーレオバシジウム)は、醸造メーカや醤油メーカの建造物を真っ黒にするアルコール大好き酵母です(憎めません)。

5)結核菌は細菌です(ウイルスではありません)。結核菌が耐性を示すのは、細胞壁に脂肪酸の膜(疎水性膜)持っているためです。そのため、次亜塩素酸をはじめ、多くの水溶性の殺菌剤はこの特殊な細胞壁を透過することができないため、なかなか殺菌できません。
では、疎水性の殺菌剤では?と思われますが、細胞壁の外側に親水性の外膜を有するため、これもはじくというやっかいな細菌です。

6)細菌芽胞は、やはり一番耐性の強いランクです。ここでは、各種菌株の名前を2グループに分けました。
・クロストリジウム属は、絶対嫌気性であり、酸素のない環境で生育します。真空パックの食品を腐敗させる原因菌です。
・バチルス属は、好気性菌であり、おなじみ枯草菌、炭疽菌、セレウス菌、納豆菌を含みます。

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