ECO LEAFについて
ワーウォ技術研究所が検証を受けて、登録・公開しているデータ
エコリーフの特長と位置づけ
エコリーフ環境ラベルとは
エコリーフ環境ラベルはLCA(ライフサイクルアセスメント)手法を用いて製品の全ライフサイクルステージにわたる環境情報を定量的に開示する日本生まれの環境ラベルです。
1.エコリーフの特徴
1.LCAによる環境情報の定量的表示をします
エコリーフ環境ラベルは資源採取から製造、物流、使用、廃棄・リサイクルまでの製品の全サイクルにわたって、LCA(ライフサイクルアセスメント)による定量的な環境情報を開示する環境ラベルです。
結果をある基準に従って合否判定することはなく、客観的な情報やデータの公開に止め、その評価は 読み手に委ねられます。
2.PCR(製品分類別基準)により製品比較に対する配慮をしています
エコリーフを通じて公開される製品環境情報はすべて、製品分類別基準(PCR)を定めます。同じ分類に属する製品の環境負荷は、基本的に同一条件で計算されますので、製品間比較を行う上での問題をできるだけ少なくするように配慮されています。
3.あらゆる製品が対象です
日用品、衣料品などのほかにも、複雑、高度なプロセスを経て製造される工業製品(中間製品、原材料、エネルギーなどを含む)や建築構造物、使用時の環境負荷が大きな耐久消費財などの他、情報通信、運輸、流通といったサービスを対象とすることができます。
4.環境特性を多面的に評価できます
エコリーフは、製品環境情報を単一の基準で評価することの難しい製品やサービスをも含めて、環境特性を評価できる多面的な環境ラベルです。
【環境特性の例】
温暖化、酸性化、オゾン層破壊、水質汚染などの環境排出負荷
エネルギー資源や資源枯渇などの資源消費負荷
5.環境ラベルの国際標準規格に準拠しています
ISOが定めるタイプる環境ラベル(ISO14025)に従っています。
6.わかりやすさに配慮しています
エコリーフは、製品間比較、例えば新製品や改良プロセスを従来品や従来プロセスと比較した結果の相対比較などの配慮が十分に行われたデータを公開し、かつ読み手にわかりやすい表現が配慮されています。
7.常に開かれた情報開示を行っています
エコリーフは、インターネットなどを通じての積極的な情報公開を実現し、環境報告書などと並んで、消費者に対する企業環境情報の主要な開示手段となりうるように、制度上および運用上の配慮や努力を行っています。
2.エコリーフの位置づけ(環境ラベルの種類)
一般的に普及している環境ラベルはISO(国際化標準機構)が規定しているタイプ「タイプⅠ」、「タイプⅡ」、「タイプⅢ」の3種類に分類でき、それぞれのタイプには以下のような特徴があります。
ISOにおける 分類 (タイプ別) |
基本目的 | 特 徴 | プログラム例 |
タイプⅠ (ISO14024) |
基準合格の証明 | 基準に対し合格/不合格の判定をする。 製品分類と判定基準を運営機関が決める。 事業者の申請に応じて審査して、マーク使用を 認可する。 |
エコマーク(日本) ブルーエンジェル (ドイツ) ノルディックスワン (北欧諸国)等 |
タイプⅡ (ISO14021) |
事業者の自己宣言に よる環境主張 |
製品の環境改善を市場に対して独自に主張する。 宣伝広告にも適用される。 第三者による判断は入らない。 |
各事業者 |
タイプⅢ (ISO14025) |
定量的製品環境負荷 データの開示 |
合格/不合格の判定はしない。 定量的環境負荷データを開示する。 評価は読み手に委ねられる。 |
エコリーフ(日本) EPD(スウェーデン) EDP(韓国)等 |
エコリーフ取得によるメリット
企業
1.グリーン購入・調達の促進に信頼感向上
環境調和型の開発・製造・販売に取り組む事業者が、その製品の環境データを提供することによって、グリーン購入・調達のための判断材料や、製品の適切な使用、廃棄・リサイクル情報、さらには科学物質の安全性に関する情報などの提供を求める消費者の要求に応えることになり、企業および製品への信頼感を高めることができます。
2.消費者評価の向上による市場競争力の強化
環境面で優位性を持った製品・プロセス・技術を提供することにより、消費者の評価を高めることができ、企業および製品の競争力の強化が期待されます。
3.組織内意識の向上による環境経営の発展
環境データを収集・解析・整理・公開する過程を通じて、企業内各層の環境意識が向上し、環境負荷のより少ない製品(エコプロダクツ)を開発・製造・販売していくための一層の動機付けとなります。このことは、環境への取り組み体制の整備や問題点の明確化を通じて、環境経営の深化につながります。
消費者・購買者
1.グリーン購入・調達の客観的判断情報
グリーン購入・調達時の判断情報を得ることができます。例えば、製品間の環境比較(個別あるいは全体的な環境因子の比較)に利用できます。
2.製品選択/使用時の環境配慮の向上
ライフサイクルステージごとの環境負荷の相対的大きさ、影響の大きな環境影響項目を把握することによって、環境意識の向上や、消費(利用)の形態や行動の改善製品選択や使用時の環境配慮などに役立てることができます。
このような効果により、エコリーフ環境ラベルは、事業者と消費者間において、客観的かつ透明性の高いコミュニケーションの発展に役立てることができます。
エコリーフラベルのしくみ
エコリーフ環境ラベルを通してLCAの結果を公表するには、「公開ラベル」とされる3枚のラベルと共に、算定のためのルールである「製品別算定基準」(PCR:Product Category Rule)が公開されます。公開データはいずれも、開示データとしての公平性、信頼性が、第三者による審査・検証で確認されています。
エコリーフ環境ラベルは以下の流れにより公開されます。
1.PCRの作成
一般に、LCAを用いた評価は、評価の前提となる条件によって結果が大きく異なるといわれています。エコリーフでは、公平かつ透明で比較可能性を担保するため、製品分野ごとに「製品分類別基準(Product Category Rule:PCR)を作成します。PCRはPCR-WG(PCRワーキング※)が作成し、以下の事項を定めます。PCR-WGには該当する製品の製造に関わる製造技術の知識を有する方またはLCA手法を理解している方ならどなたでも参加できます。
※PCR-WGメンバーは、申請があった後、当室HPなどより募集をかけ、参加者を募ります。
PCRで決められる内容
1.製品および製品に含まれる部品等の対象範囲
2.データ収集に関する要件および範囲
3.適用するアロケーション、カットオフ等のLCA計算上の諸条件
4・ 適公開項目の特定および表示方法の設定
5.公開項目の特定および表示方法の設定
2.ラベルの作成
事業者はPCRに基づいて、対象製品のLCA評価を実施し、公開様式である「製品環境情報」、「製品環境情報開示シート」、「製品データシート」を作成します。
各ラベルの表示内容
1.「製品環境情報」には「製品環境情報開示シート」の要点と製品概要を表示します。
2.「製品環境情報開示シート」には「製品データシート」のデータを、エネルギー資源や鉱物資源の消費負荷、大気・水域・土壌への環境排出負荷などに換算した値を表示します。
3.「製品データシート」には、製品の素材別重量、加工・組立に消費した電力や重油などのエネルギー消費量、生産工程で排出される廃棄物量、物流段階での輸送方法、製品を使用した後の廃棄処理方法などの生データを表示します。
3.第三者検証
事業者は作成したそれぞれのデータをそれぞれのラベルにまとめ、エコリーフに登録された検証員による検証を受けます(第三者検証)。
検証では、PCRに適合しているか、製品の重量や材質などの条件が正確に算入されているか、収集されたデータは十分な精度があるか、客観性があるかなどがチェックされます。
検証結果は検証員によって検証結果報告書およびPCR遵守性チェックリストにまとめられ、当室(LCA専門家)の評価判定を得て登録・公開が可能となります。第三者検証には外部検証、内部検証の2つの方式があり、上記のように製品ごとに検証するものを外部検証、また、企業内で独立した立場の検証員を任命し、検証を実施するものを内部検証と言います。内部検証を実施するには事業者としてシステム認定を得ていることが前提となります。
4.ラベルの登録・公開
プログラムに沿ってデータの収集・第三者検証を受けたエコリーフラベルは、エコリーフのホームページで「製品データシート」、「製品環境情報開示シート」、「製品環境情報」が一組の環境情報としてPCRとともに公開されます。また事業者は登録された製品等にマークを表示することにより、消費者はマーク下部に記載されている登録番号からホームページにアクセスし、公開データの閲覧が可能です。こうした製品環境情報の「見える化」によって、その製品の生産から廃棄までの温暖化や酸性雨への影響、エネルギー消費量、製造・物流・使用・廃棄の各段階別での環境負荷に関する情報を得ることができるしくみとなっています。