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“空間除菌”はなぜ必要か?

1.新型コロナウイルスで始まった2020年。

2019年末12月8日にコロナウイルスによる新型肺炎の発生が報道されました。中国は湖北省の省都である武漢市が感染源ですが中国政府の情報公開の遅れもあり、今では世界的な広がりを見せています。

新型コロナウイルスは短期間に人から人へ感染することが確認され、潜伏期間中でさえ感染する可能性があると言われるようになりました。2003年のSARSよりも速いスピードで感染が拡大している事実は、私たちには大きな恐怖となっています。状況は厳しさを増すばかりです。

1月30日午前、厚労省は緊急会見を開き、中国・武漢市からの帰国者のうち、発熱やせきなどの症状が無い人の新型コロナウイルスへの感染が明らかになったと発表しました。これは、「ウイルスはあるが症状は出ないというのは新たな事態だ。症状のない人が、潜伏期間中にほかの人に感染させることも念頭に置いて、対応策をとらなければいけない。」と危機感を示したのです。

世界的に恐怖が広がりつつある中、水際作戦や新たなワクチンの開発に躍起になっている国々がある一方、オリンピックを控えている日本にとっては、頭の痛い課題をつきつけられていると言えるでしょう。

2.私たちが取るべき行動は?

私たちはこのような現状を目の前にして、手をこまねいているわけにはいきません。自ら行動することにより、高いレベルの予防をされることをお勧めします。つまり、感染予防が重要であり、体内に侵入するウイルスの量を減らすことが求められているのです。
マスクをしたり手洗いを励行するなどは、それなりの効果はあるでしょうが、さらに高い効果を得られる方法が空間除菌なのです。

私たちがお勧めする空間除菌は、次亜塩素酸水溶液を超微細な霧にして空間に噴霧するものです。塩素という言葉を見て、皆さんは直感的に危険だと感じるかも知れませんが、次亜塩素酸は私たちの体内でも白血球内で大活躍しており、多くのお客様のもとで活躍しています。
目的は、空間を漂っているウイルスや食中毒菌が体内に侵入する数を少なくすることにあります。

「最小発症菌数」という言い方があり、右に最小発症菌数表_p002-1
表で一例を示しますが、ごく僅かな数でも体内
に侵入することで発症するものがあります。
次亜塩素酸水溶液の超微細噴霧による空間除菌
は、インフルエンザやノロウイルス、はたまた
色々な食中毒菌に対して感染者数を抑えた実績
があります。

ウイルスや菌などの病原微生物に対する攻撃
メカニズムが共通していて強力なことも安心できます。

3.新型インフルエンザで霧を使った多くのお客様の声。

私たちが次亜塩素酸を事業として取り組み始めてから20年を超えました。2006年に最初の生成装置を開発し、病院、介護施設、食品工場、お弁当工場等へ設置してきました。
2009年には豚由来のH1N1新型インフルエンザが大流行したのですが、それを機に空間除菌専用の霧化器を開発し現在に至っています。
生成装置は設備として前述の病院や施設、工場などに導入されましたが、霧化器は従来のお客様に加えて一般事務所や店舗、さらには個人のお客様まで広がりを見せています。
装置および霧化器を導入し次亜塩素酸水溶液の超微細噴霧を活用されているお客様は、異口同音に以下のような声をあげておられます。

・今年は誰もインフルエンザにかからなかったね。(病院、介護施設、一般事務所、店舗等)
・子供が学校からインフルエンザをもらって帰ったけど、すぐに回復した。(家庭)
・隣りの園はノロウイルスで閉鎖したのに、うちは2、3人の欠席で済んだ。(保育園)
・近所の住宅団地の住人から悪臭のクレームがなくなった。(食品工場)
・ペットの臭いが気にならなくなったと言われた。(家庭)
・年寄りの加齢臭を感じなくなり、霧化器は手放せません。(家庭)
・霧が出ているのを見ると安心するね。(皆さん)

4.全米で1500万人が感染
        過少評価されがちなインフルエンザの脅威

全世界で数千人の感染が確認された新型コロナウイルス。米国ではマスクが品切れになるほどの騒ぎが広がっている。

一方で、全米で1,500万人以上が感染し、今シーズンだけで8,200人以上の死者を出したウイルスがある。新型コロナウイルスではない。インフルエンザのウイルスだ。

こう報道したのは、米国CNNで日本時間の1月31日付けのことです。インフルエンザは今も猛威を振るっており、感染者数はさらに増える見通しだ、と言われています。

米疾病対策センター(CDC)によると、2019~20年のシーズンでは、これまでに米国内で1,500万人が感染し、子ども少なくとも54人を含む8,200人が死亡しているとのことです。

ある医師の指摘では、「私たちは未知のものを恐れ、新しい新興の感染症についての情報を求める。」「何が真の脅威で、何がそうでないのか、私たちはすぐには判断できない。だから、必要のないパニックを起こすことがある。」と。的を得た指摘だと思います。

さて、前項に書けなかったことを追記し、補足しておきます。

・ケーキショップで空間除菌を導入した。
 → その結果、ドアノブや取っ手、テーブル上の付着菌や落下菌の数が減り、保健所の方が驚いていた。
  店主は安心してケーキ作りをされている。

・病院のICU(集中治療室)で空間除菌の試験を行った。
 → 壁への付着菌やテーブル・床への落下菌、部屋を漂う菌類などにおいて、それらを減少もしくは無くすると
  いった著しい改善が見られた。

今回の新型コロナウイルスも、専門家によると飛沫感染や接触感染が主な原因だからマスクの装着や手洗いを励行しましょう、手洗いの後はしっかり乾かしてからアルコールで消毒するようにと言われています。ただ、アルコールは手荒れの心配があるので要注意ですね。

しかし、飛沫感染や接触感染の原因となるものへのアプローチ無くしては、片手落ちと言わざるを得ません。付着菌や落下菌を減らしてこそ大きな効果が得られるようになります。
※不着菌、落下菌と「菌」という言葉を使いましたが、「ウイルス」も同じです。

ウイルスによる感染予防対策をするなら、空間除菌を併用しましょう!

 

次亜塩素酸の科学 -基礎と応用-

「次亜塩素酸」関連事業に携わる人たちにとって、バイブルとも言える参考書を紹介します。

「次亜塩素酸の科学 -基礎と応用-」という書籍です。初版は2012年3月、2015年7月に2版が出ています。
私たち次亜塩素酸に関わる者にとっては、いざという時に役に立つ便利な参考書として手放せない書籍です。

「関連商品の販売を行っているが、お客様からの質問に答える時の参考にしたい」

「食品工場で次亜塩素酸を使っているが、今の方法で良いのだろうか?」

「病院や介護施設では活用可能なところが多くあると思うが、どのような利用法が
あるのだるうか?」

「次亜塩素酸についてもう少し掘り下げて知りたい」

というご要望に応えられる数少ない参考書ですので、以下に出版社からの紹介を含めてご案内させていただきます。以下は出版社からの案内です。
y8b3ccye 次亜塩素酸は、過去から現在に至るまで、種々の感染予防の目的で使用され続けてきた薬剤である。「塩素消毒」という言葉は耳にしても、「次亜塩素酸」という物質名に対しては聞き慣れない人も少なくないであろう。実は、次亜塩素酸は塩素と水が反応して生成した物質であり、塩素消毒の主たる活性因子なのである。

本書では、次亜塩素酸製剤を取り扱う研究者、技術者ならびに食品製造設備・機器を設計する技術者が理解しておかなければならない必須の基礎知識を中心に記述した。次亜塩素酸の利用は広範であるため、食品産業における衛生管理技術ならびに微生物制御への適用を主な対象として、その中心技術となる洗浄・殺菌技術における次亜塩素酸の反応メカニズムに重点をおいてまとめた。理解しやすいように、図表を多用し、平易な言葉で記述してある。

 

<主要項目>

第 1 章 身近な消毒剤・漂白剤「次亜塩素酸製剤」
次亜塩素酸ナトリウムの製造方法と性状/次亜塩素酸ナトリウムが汎用される理由/家庭用漂白剤の種類/次亜塩素酸製剤の種類/食品添加物としての殺菌料/微生物制御関連用語の定義

第 2 章 次亜塩素酸とは?
次亜塩素酸の生成/次亜塩素酸の化学的特性/遊離有効塩素と結合有効塩素/残留(有効)塩素の測定法/紫外線の吸収と光分解/遊離有効塩素の安定性とpHの関係

第 3 章 次亜塩素酸の殺菌特性
膜透過性と殺菌活性/次亜塩素酸による一次損傷/活性酸素種による二次損傷/殺菌活性の指標/熱による増強効果/有機物による次亜塩素酸ナトリウムの殺菌効果の低下

第 4 章 次亜塩素酸の洗浄特性
洗浄効果の定量的評価/水酸化物イオンの洗浄効果/次亜塩素酸イオンの洗浄効果/熱変性タンパク質に対する有効性/熱による増強効果

第5 章 電解水と弱酸性次亜塩素酸水溶液
電解水の登場/電解水の種類と生成原理/混合方式による弱酸性次亜塩素酸水溶液の調整/電解水・弱酸性次亜塩素酸水溶液の殺菌効果/電解水の洗浄効果/遊離有効塩素の消失/安全性と環境負荷

第 6 章 次亜塩素酸ナトリウムと界面活性剤の併用効果
水の表面張力/界面活性剤の作用/濡れによる洗浄効果の改善/濡れによる殺菌効果の改善/泡沫洗浄への応用/リユースペットボトルの洗浄への適用

第 7 章 次亜塩素酸水溶液の超音波霧化による施設環境の殺菌
超音波による霧化微細粒子の発生原理と粒子径/超音波による液性の変化/大腸菌の殺菌/インフルエンザウイルスの不活性化/養鶏施設への適用/今後の課題

第 8 章 次亜塩素酸による用水・排水・臭気ガスの浄化
不連続点塩素法/除鉄・除マンガン/着色排水の脱色/臭気ガスの脱臭

第9 章 オンサイトで利用される電解技術
食塩水の電気分解における電気化学反応/通電処理におけるOHの生成/通電処理におけるHOCℓとOHの殺菌相乗効果/電解次亜海水の効果/電解次亜海水の実用化事例/電解次亜海水による腐敗臭の抑制/通電処理によるアンモニア性窒素の分解/通電処理による染色実廃水の脱色

第10章 次亜塩素酸による腐食・劣化作用
金属の腐食/ステンレス鋼の耐食性/ステンレス鋼の腐食/次亜塩素酸による腐食と防食/ゴム材への次亜塩素酸の浸透と劣化/非解離型HOCℓの浸透と拡散

 

著者の福﨑智司氏について、書籍から引用して紹介します。

(著者略歴)

福崎智司

1986年広島大学醗酵工学科卒業、1991年広島大学大学院醗酵工学科博士課程後期終了。
同年岡山県工業技術センター入所。
2005年同センター食品技術グループグループ長、2009年同センター化学・新素材グループグループ長、2011年同センター研究開発部長、2013年より三重大学大学院生物資源学研究科教授、現在に至る。
工学博士

書籍について

発行所  米田出版 〒272-0103 千葉県市川市本行徳31-5
発売所  産業図書 〒102-0072 東京都千代田区飯田橋2-11-3
福﨑博士は“あとがき”の中で次にように述べている。

『次亜塩素酸の持つ酸化力は、洗浄、殺菌、漂白、脱臭などの単位操作に有効に利用することができる。次亜塩素酸の有効活用のポイントは、水溶液のpH調整と濃度設定にあるといっても過言ではない。非解離型HOCℓは強い酸化力を持つ一方、解離型OCLは強い洗浄力を持つ。次亜塩素酸ナトリウム水溶液や電解水を万能的に使用するのではなく、次亜塩素酸の基礎的な特性を熟知したうえで、その優れた機能を的確に活用することが肝要である。
次亜塩素酸製剤を使用したのに期待した効果が得られない、それどころか思わぬ被害が発生したという声を聞くことがある。しかし、それは次亜塩素酸が悪いので
はなく、次亜塩素酸の特性を十分理解していない、あるいは使用目的を明確にしていない使用者側が責められるべき問題なのである。

本書を読まれた皆様は、一体どんな「なぜ」を思いつかれただろうか。新たな問い立てこそが、次なる特性解明への一歩に他ならない。本書との出会いを契機に次亜塩素酸のベストフレンドとなり、上手な次亜塩素酸の活用法ならびに腐食・劣化対策を磨いていただければ幸いである。』

 

私たちは、博士のご指摘に耳を傾け、「なぜ」という問いを繰り返しながら目の前に現れる課題を解決して、次亜塩素酸の有効活用を図り、お客様にさらなる安全・安心と利便性を提供して行かなければならないと肝に命じて事業に取り組むべく、決意を新たにしています。
皆様も是非お手元に用意されることをお勧めします。

以上