オフィシャルブログ

・技術資料

6. クイックソルブ開発物語⑥ 電子書籍の案内

クイックソルブをもっと詳しく知りたい方へ
電子書籍のご案内「同じように作ったのに、結果が違う」

次亜塩素酸水を使っていて、
こんな経験はありませんか

・昨日と同じ分量なのに濃度が違う
・白い沈殿物が残ってしまう
・本当に効果が出ているのか分からない

実はこの問題、多くの人が気づかないまま使い続けています。

原因は「溶け方のばらつき」です。

本書では、このばらつきをなくし、
誰でも毎回同じ結果を得るための方法――
「クイックソルブ」
を紹介します。

この方法は、
粒の大きさ(粒径)を整えることで、
・すばやく完全に溶ける
・溶け残りが出ない
・毎回同じ濃度になる
という「再現性」を実現します。

特別な装置は必要ありません。
難しい知識も必要ありません。

必要なのは、
正しい手順を知ることだけです。

本書では、
■ なぜ同じように作っても結果が変わるのか
■ なぜ沈殿物が発生するのか
■ 500mLペットボトルでの具体的な作り方
■ 失敗しやすいポイントと改善方法
■ 濃度とpHの正しい関係
を、実際の開発過程とともに、

誰でも理解できる形で解説しています。

難しい理論は最小限にし、
「実際にできること」に焦点を当てました。

――再現できない方法は、安心につながらない。

この一冊は、
次亜塩素酸水を

「なんとなく使う」から
「自信を持って使う」へ
変えるための実用ガイドです。

KDP 表紙ー新2 - コピー

 

以上、クイックソルブ開発物語①~⑥をお読みくださいまして、ありがとうございました。

クイックソルブにご関心をお持ちいただけましたら、まずは下記ページをご覧ください。
商品の内容や使い方、関連情報を順次ご案内しています。

新製品情報
https://www.wahw.co.jp/newproduct

クイックソルブ一覧
https://www.wahw.co.jp/product

小さな疑問でも構いません。
気になる点がございましたら、お問い合わせフォームよりお尋ねください。

2026.07.15.Tok.

5. クイックソルブ開発物語⑤ 必要な時に、必要な量だけ作るという考え方

ここまで、クイックソルブ開発のきっかけ、粉末化を目指した理由、白い不溶沈殿物との格闘、そして
粒径制御の考え方について書いてきました。

最後に、クイックソルブが大切にしている考え方をまとめたいと思います。

それは、液体を長く保管するのではなく、必要な時に、必要な量だけ次亜塩素酸水を作るということ
です。
クイックソルブが目指したのは、単に粉末にすることだけではありません。

必要な時に、必要な量だけ作れること。
そして、粉末を水に入れた時に、出来るだけすばやく均一に溶け、白い不溶沈殿物を抑えること。
この二つを両立させることでした。

次は、電子書籍の案内について書きます。

4.クイックソルブ開発物語④ クイックソルブ式粒径制御法とは

先ず、粉末を水に溶かす方法について、三つの方法を考えてみましょう。

  1. 水温を上げる
  2. 強く攪拌する
  3. 粉末粒子の大きさを整える

多くの人々が思いつく方法でしょうが、関連する難しい条件が色々あります。弊社は、粉末粒子の大きさを
整える方法を選択しました。粒子サイズと溶解速度の関係は、ネルンスト‐ニルソン式で表されますが、
一般的には次のように言われます。

・     粉末は粒子を細かくすると表面積が増え、水に触れる面が多くなるため、溶けやすくなります
・     しかし、微粉末化しすぎると舞い散りが発生し、作業性が悪化するとともに、吸い込むリスクがある

ただし、この式に則って粒子径を検討するにはあまりにも専門的になるので、別の角度から検討を進めました。
前に使った比重と溶解度から考えると、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムと酸性芒硝の比重は、1.9g/cm3に対して2.74g/cm3と、1.44倍の比があり、溶解度は25g/100mlに対して108g/100mlと、4.32倍の開きがあるのです。

これらの現実を元に判断し、ふるいを使って粒子径を分類することを始めました。併せて、溶け具合も測定しました。
こうして、成分ごとの性質を見ながら、水に入れた時にできるだけ均一に溶ける粒の状態を探しました。

この考え方を、弊社では
「クイックソルブ式粒径制御法」
と呼んでいます。

 

次は、必要な時に、必要な量だけ作るという考え方について書きます。

3.クイックソルブ開発物語③ 白い不溶沈殿物との格闘

開発を進めて行くと、様々な問題が立ちはだかりました。大きくは、粉末が湿気に弱いということで、
湿気を吸収して固まってしまうのです。

もう一つは、粉末を溶かした際に容器の底に不溶沈殿物が残る、ということでした。これには「何が溜
まっているのだろう」「見た目にも不安を感じる」と思わせるものでした。

調べることは、不溶沈殿物は何が原因なのか?ということで、これは弊社だけでは解明できない課題
でした。そこで、岡山県工業技術センターに分析を依頼することにしました。

パウダー状のサンプルを水に溶かし、乾燥させて試料を作り持参しました。結果は下に示す通りで、不溶
沈殿物の正体はジクロロイソシアヌル酸ナトリウムだったのです。
不溶沈殿物の正体 20260728

(上図の見方)上の考察にあるように、①~③より、pH調整剤は完全に溶けていることが分かり、溶
けずに残った残留物はパウダー状製品からpH調整剤を除いたものであった。

不溶沈殿物の正体は判明しました。
次の課題は、どうすれば完全に溶かし切れるのか、しかも同時に混ぜるpH調整剤と一緒に混ぜた状態で安定して溶けるのか、ということでした。下に、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムと酸性芒硝の比重と溶解度を載せました。   比重と溶解度 20260728

それぞれの特性を持ったい物質を完全に溶かすには、最適な粒子径を探し出すしか無いと判断しました。
いよいよ、クイックソルブ式粒径制御法の誕生です。

次回は、クイックソルブ式粒径制御法について書きます。

2.クイックソルブ開発物語② なぜ液体ではなく粉末なのか

巷では、プールなどの除菌剤として、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムが固形あるいは粉末で販売されています。
これを利用すれば、プールと違い少量で同じ用途の機能を持った製品ができるのでは?と思いました。
粉末状で商品化できれば、必要な時に、必要な場所で、必要な量の次亜塩素酸水ができます。

ちなみに目指すべき仕様を列挙して、従来品と比較してみます。

(同じ濃度の次亜塩素酸水を生成する場合の比較を、従来品とクイックソルブで行った)
ブログ001 開発物語② 表 保存期間 スクリーンショット 2026-07-27

上記の項目実現を目指し開発を進めてきました。
しかし、この時点では先にどのような課題が待ち構えているのか、まだ分かっていませんでした。

次回は、開発中に立ちはだかった「白い不溶沈殿物」の問題について書きます。

 

1. クイックソルブ開発物語① 開発のきっかけは、中東の港にありました

筆者よりのご挨拶
この度、クイックソルブ開発物語として①~⑥までの連載を始めました。短縮版としましては、商品紹介の新製品情報

https://www.wahw.co.jp/newproduct

にも載せていますが、それを詳しく書いたものです。
一週間に一回のペースで掲載しますので、お楽しみに読んでください。では。
**********************************

2019年、新型コロナウイルス感染症が話題になり、パンデミックの恐怖が囁かれはじめた頃のことです。中東のある国へ次亜塩素酸水WahWを送りました。お客様からの反応を楽しみに待っていたのですが、先方からは、何か月もの間音沙汰がない状況が続いていました。

その前に弊社からはスタッフが飛行機を乗り継いで同国を訪問し、大きな病院の院長や財界人の多くを対象に、次亜塩素酸水の様々な情報をプレゼンテーションしてきていたのです。日本に好感を持ってくれている彼らは、熱心に耳を傾けてくださいました。

しびれを切らせて問い合わせた結果、その状況を聞いた時、私は大きな衝撃を受けました。何と、先方では長期間にわたって港の倉庫に入れたままになっていたのでした。気温が高い中東の国では、次亜塩素酸水の劣化が早く、効果が低下するのを抑えることができないのでした。

除菌テストを実施したものの、時すでに遅く、効果を確認することはできなかったと報告がありました。どれくらい劣化していたかと言うと、ほとんど除菌効果は無くなっていたそうです。それを聞いて、私が経験した炎天下の夏の日中を思い出しました。

弊社で行った簡易試験でも、透明容器に入れた次亜塩素酸水を夏の直射日光下に置くと、数時間で濃度が大きく低下することを確認しています。(下にその様子を示します)

これらの現実を見て、「液体の状態のまま送るのではなく、必要な時に作る」という発想が新製品開発のきっかけになったのです。

次回は、なぜ液体ではなく粉末タイプを目指したのかについて書きます。

炎天下 濃度・pH測定の様子

炎天下pH測定

弊社の次亜塩素酸水溶液『WahW(ワーウォ)』が3項目で第1位を獲得しました。

3項目とは?

1)安心・信頼できる 次亜塩素酸水溶液 No.1
2)初めてでも安心の 次亜塩素酸水溶液 No.1
3)友だちに紹介したい 次亜塩素酸水溶液 No.1

を言います。

詳しくは、下の図を参照してください
また、日本トレンドリサーチ発表の詳細は下記を参照してください。
https://trend-research.jp/7767/

スライド 2

次亜塩素酸の解離曲線について

この解離曲線、私どもは2006年初めて生成装置を開発した時につくりました。今となっては何を参照したかは定かでありませんが、他社さんが採用されている出典は使わないと決めていたことを思い出します。解離曲線については各社のHPに載っていますが、コピペされているものも多く見うけられます。せめて出展は明らかにされたいものです。

次亜塩素酸の解離曲線については数十年も前に研究されており、今では業界に広く知られるようになってきましたが、それでも「次亜塩素酸ナトリウム」と「次亜塩素酸」の違いを理解することなく混同する方が時々おられます。

「次亜塩素酸の科学」p17~18にはつぎのように書かれています。
次亜塩素酸の解離定数(pKa)は約7.5であることからpH 7.5においてHOClとOCl- の比率は1:1となる。pHがアルカリ性に傾くと、HOClの解離度が大きくなりOCl- 存在割合が増加する。pH が酸性側に傾くと、OCl- は徐々にプロトン化して非解離型となる。弱酸性領域(pH4~6)では、非解離型のHOClが高比率で存在する。このpHに依存したHOClとOCl-の存在比率が、洗浄、殺菌、漂白、脱臭の作用効果を支配している。

 さらに、塩酸を加えてpHを強酸性領域にすると、HOClの一部は溶存塩素(Cl2)に変化し、未溶解分子は気相中に飛散する。“混ぜるな危険”という表記は、この塩素ガス発生の危険を警告するものである。

HOCl  +  HCl  ⇄  Cl+  H2O

 さて、弊社ではHPや説明資料に使用している次亜塩素酸の解離曲線に手を加えました。スライドのタイトルこそ「次亜塩素酸の解離曲線から解る塩素の働きの違い」と変わりませんが、グラフの曲線をプロットした元となるデータの出典を記載しました。それに伴い酸性領域のグラフが少し変わりました。

6.00 ≦ pH の領域においては、厚生労働省の循環式浴槽におけるレジオネラ症防止対策マニュアルについてより。ここでは、アルカリ性の温泉水では、塩素系薬剤の消毒効果が低下する理由は何ですか?という質問に対する答えとして載っています。
pH > 6.00 の領域においては、ProMinent Academy for Water Technology のDr. Thomas Winker 氏によるデータを同社の技術資料よりお借りしたものです。

スライドを下に示しますので、ご覧ください。

 解離曲線のスライドのみ  20191222

微生物に対する抗菌性比較

*微生物には、大別して、細菌(バクテリア)、酵母、カビ、放線菌、藻類、ウイルスがいます。(放線菌と藻類には、悪役は少なく、この表には入れませんでした) 抵抗性の序列:細胞の基本構造で序列を作りました。

1)細菌は「原核細胞」と呼ばれる構造で、生命活動に必要な機能の多くは、形質膜に存在します(DNAを包む核膜もない)。構造が単純であり、殺菌剤の殺菌作 用が効きやすい。病原性であることと耐性とは関係がありません。

2)ブドウ糖非発酵菌で問題となるのは、シュードモナス属菌(細菌)です。緑膿菌が最も有名です。1)と同じ細菌(原核細胞)ですが、細胞の周辺に夾膜(きょうまく)多糖と呼ばれる粘着性のポリマーを生成しているので、1ランク耐性が強いとされています。

3)ウイルスは、他の微生物と異なり、細胞ではありません。自分で栄養素を分解して増殖することはできません。そのため、必ず何かの細胞に感染して、その細胞の機能を横取りして増殖します。小さいもので20nm、大きいもので300nmもあり、膜で覆われているもの、そうでないものと種類が多いのが特徴。基礎データも少ないため、一概に耐性を論じられませんが、極めて小さい構造のため、環境中の汚れ物質の陰に隠れて接触しにくいことがあるので、耐性はやや高い方に位置付けました。ちなみに、アデノウイルスは夏風邪・プール熱の原因菌、ポリオウイルスは神経麻痺(小児麻痺)の原因菌です。

4)酵母とカビは「真核細胞」と呼ばれる構造で、生命活動に必要な機能はミトコンドリアや核、小胞体などの器官に分配されて存在します。簡単に言うと、細菌が進化したものです。
機能が各器官に分配されている分、殺菌剤も単純に効きにくいと言うことです。
カビは胞子を作るので、酵母より1ランク高くしました。
*酵母様真菌、糸状真菌と書くより、酵母、カビの方が分かりやすいと思います。

ちなみに、黒色酵母(オーレオバシジウム)は、醸造メーカや醤油メーカの建造物を真っ黒にするアルコール大好き酵母です(憎めません)。

5)結核菌は細菌です(ウイルスではありません)。結核菌が耐性を示すのは、細胞壁に脂肪酸の膜(疎水性膜)持っているためです。そのため、次亜塩素酸をはじめ、多くの水溶性の殺菌剤はこの特殊な細胞壁を透過することができないため、なかなか殺菌できません。
では、疎水性の殺菌剤では?と思われますが、細胞壁の外側に親水性の外膜を有するため、これもはじくというやっかいな細菌です。

6)細菌芽胞は、やはり一番耐性の強いランクです。ここでは、各種菌株の名前を2グループに分けました。
・クロストリジウム属は、絶対嫌気性であり、酸素のない環境で生育します。真空パックの食品を腐敗させる原因菌です。
・バチルス属は、好気性菌であり、おなじみ枯草菌、炭疽菌、セレウス菌、納豆菌を含みます。

us1l57x6