オフィシャルブログ

・開発情報

3.クイックソルブ開発物語③ 白い不溶沈殿物との格闘

開発を進めて行くと、様々な問題が立ちはだかりました。大きくは、粉末が湿気に弱いということで、
湿気を吸収して固まってしまうのです。

もう一つは、粉末を溶かした際に容器の底に不溶沈殿物が残る、ということでした。これには「何が溜
まっているのだろう」「見た目にも不安を感じる」と思わせるものでした。

調べることは、不溶沈殿物は何が原因なのか?ということで、これは弊社だけでは解明できない課題
でした。そこで、岡山県工業技術センターに分析を依頼することにしました。

パウダー状のサンプルを水に溶かし、乾燥させて試料を作り持参しました。結果は下に示す通りで、不溶
沈殿物の正体はジクロロイソシアヌル酸ナトリウムだったのです。
不溶沈殿物の正体 20260728

(上図の見方)上の考察にあるように、①~③より、pH調整剤は完全に溶けていることが分かり、溶
けずに残った残留物はパウダー状製品からpH調整剤を除いたものであった。

不溶沈殿物の正体は判明しました。
次の課題は、どうすれば完全に溶かし切れるのか、しかも同時に混ぜるpH調整剤と一緒に混ぜた状態で安定して溶けるのか、ということでした。下に、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムと酸性芒硝の比重と溶解度を載せました。   比重と溶解度 20260728

それぞれの特性を持ったい物質を完全に溶かすには、最適な粒子径を探し出すしか無いと判断しました。
いよいよ、クイックソルブ式粒径制御法の誕生です。

次回は、クイックソルブ式粒径制御法について書きます。

1. クイックソルブ開発物語① 開発のきっかけは、中東の港にありました

筆者よりのご挨拶
この度、クイックソルブ開発物語として①~⑥までの連載を始めました。短縮版としましては、商品紹介の新製品情報

https://www.wahw.co.jp/newproduct

にも載せていますが、それを詳しく書いたものです。
一週間に一回のペースで掲載しますので、お楽しみに読んでください。では。
**********************************

2019年、新型コロナウイルス感染症が話題になり、パンデミックの恐怖が囁かれはじめた頃のことです。中東のある国へ次亜塩素酸水WahWを送りました。お客様からの反応を楽しみに待っていたのですが、先方からは、何か月もの間音沙汰がない状況が続いていました。

その前に弊社からはスタッフが飛行機を乗り継いで同国を訪問し、大きな病院の院長や財界人の多くを対象に、次亜塩素酸水の様々な情報をプレゼンテーションしてきていたのです。日本に好感を持ってくれている彼らは、熱心に耳を傾けてくださいました。

しびれを切らせて問い合わせた結果、その状況を聞いた時、私は大きな衝撃を受けました。何と、先方では長期間にわたって港の倉庫に入れたままになっていたのでした。気温が高い中東の国では、次亜塩素酸水の劣化が早く、効果が低下するのを抑えることができないのでした。

除菌テストを実施したものの、時すでに遅く、効果を確認することはできなかったと報告がありました。どれくらい劣化していたかと言うと、ほとんど除菌効果は無くなっていたそうです。それを聞いて、私が経験した炎天下の夏の日中を思い出しました。

弊社で行った簡易試験でも、透明容器に入れた次亜塩素酸水を夏の直射日光下に置くと、数時間で濃度が大きく低下することを確認しています。(下にその様子を示します)

これらの現実を見て、「液体の状態のまま送るのではなく、必要な時に作る」という発想が新製品開発のきっかけになったのです。

次回は、なぜ液体ではなく粉末タイプを目指したのかについて書きます。

炎天下 濃度・pH測定の様子

炎天下pH測定